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2024.06.10
皆さん、食後に歯磨きをする方が多いと思いますが、
「それは何のためにしていますか?」
ほとんどの方は
「虫歯の予防のため」と答えるかと思います。
では、虫歯のためには1日何回歯磨きをしたらいいと思いますか?
歯科疾患実態調査によると、60年程前まではまだ毎日歯磨きをする人は国民の6割程度だったと記されています。
また、歯を磨くタイミングは現在とは異なり、「起きてすぐ」が一般的でした。
その理由の1つ、
「寝ている間にお口の中の細菌が増殖し、起床時に細菌が多くなっている」
ということから朝食前にお口の中をキレイにする、という習慣が定着したようです。
今のような食後の歯磨きになったのは、聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、
「3-3-3 運動」が大きく影響したようです。
それは、
「1日3回、食後3分以内に、3分間歯を磨こう」
というものでした。
毎食後に磨くことで、
*食べかすを取り除き、1日を通じてお口の中を清潔に保てる
*プラーク(歯垢)の中のpHが食後、急激に低下するため、すぐに磨くことで虫歯を予防できる
そして、夜間 お口の中の細菌の増殖を防ぐために寝る前にキレイに磨く習慣も徐々に一般化し、
起床時に磨く人よりも寝る前に磨く人の方が多くなりました。
でもこれはエビデンスに基づくものではなく、
1日のお口の中の細菌の増殖や代謝のタイミングに基づいて考えられてきたと言えそうです。
実際、歯磨き回数が少ないほど虫歯の発生は多く、歯磨き回数が1日1回と2回ではわずかですが違いがありました。
また、乳歯と永久歯では乳歯の方が歯磨き回数が少ないほど虫歯の発生と増加が多い傾向にあります。
この結果だけを見ると
「歯磨き回数が多いければ多いほどいい」
と思うかもしれませんが、歯磨き回数が1日2回と3回で比べると、その差はあまりありませんでした。
また、世界的にみても、フッ化物配合歯磨剤を使用し、最低でも1日2回磨くことが推奨されています。
そのため、虫歯の予防のためには1日2回以上の歯磨きがオススメです。
そして、回数だけではなくフッ化物配合歯磨剤や歯間清掃用具の適切な使用、
ブラッシングの技術なども重要なため、定期検診時に是非確認しましょう。
(衛生士 T)